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YNSAって何? 簡単にご紹介。
頭だけで治療が完結する特別な鍼(はり)治療を想像してみてください!
それが、YNSA、すなわち「山元式新頭鍼療法」の基本的な考え方です 。これは、日本の優れた医師である山元敏勝先生によって考案されたもので、世界中の人々を助けてきました 。
この素晴らしいガイドブックを一緒に読み解き、誰にでもわかるように解説していきましょう。
YNSAは、肩こりや腰痛といった日常的な痛みから、脳卒中後の麻痺、パーキンソン病、神経の痛みといったより深刻な症状まで、非常に幅広い問題に対応できる治療法です 。
YNSAの治療かは、体中の伝統的なツボを使う代わりに、まず首や腕にある独自の「診断点」を探します 。そして、その診断点に対応する頭の「治療点」に小さな鍼を打つことで、症状を改善させていくのです 。
YNSAの驚くべき誕生秘話。
すべての偉大な発明には物語がありますが、YNSAの誕生秘話もまた、非常に素晴らしいものです。
すべては偶然から始まりました。1960年代、山元先生がある腰痛患者さんを治療していた時のことです。先生は少量の麻酔薬(ますいやく)を入れた注射をするつもりでしたが、うっかり麻酔薬を入れ忘れ、滅菌水(めっきんすい)だけを注射してしまいました 。ところが翌日、その患者さんがやって来て、「腰の痛みが劇的に良くなった」と報告したのです 。
この驚くべき結果から、山元先生は東洋医学の考え方が関係しているのではないかと考えました 。先生は鍼治療を学び始め、やがて注射器を鍼に持ち替えました。これが、この全く新しい治療法が生まれるきっかけとなったのです 。先生が頭にある主要な「基本点」を発見したのは、麻痺のある患者さんを治療している時でした。患者さんの額のある一点を押したところ、麻痺していた腕が動かせるようになったのです 。
面白いことに、YNSAは日本で有名になるより先に、ドイツやブラジルといった海外で評判になりました 。今では日本にも大きなYNSA学会があり、多くの医師や鍼灸師が患者さんを助けるためにこの治療法を用いています 。
YNSAはどこが特別なの?
YNSAには、世界中で人気を博したユニークな特徴がいくつかあります。
- 学ぶべき点が少ない 世界保健機関(WHO)が定めている伝統的な鍼のツボは361個あります 。一方、YNSAは頭にある、より少ない特定の治療点に集中しているため、習得しやすいという特徴があります 。
- 治療点の効果が分かりやすい 治療点は、その役割が非常にシンプルで明確です 。例えば、「眼点」は目の問題に、「鼻点」は鼻の問題に使われます 。とても論理的です。
- 安全で、手間がかからない YNSAは依存性の心配がない、非常に安全な治療法です 。また、治療はすべて頭に対して行うため、患者さんは服を脱ぐ必要がなく、椅子に楽に座ったまま受けられるという大きな利点があります 。
- 優れた効果が期待できる そして最も重要なことは、幅広い症状に対して非常に効果的であるということです。山元先生による研究では、患者さんの9割以上で痛みが大幅に改善したと報告されています 。
治療の流れ:ステップ・バイ・ステップガイド
[YNSAの治療手順のフローチャート画像]
YNSAの治療は、まるで探偵が事件解決のために手がかりを探すように、非常に明確で論理的な順序で進められます。
- 右か左か? 合谷診(ごうこくしん) 最初のステップは、体のどちら側を治療すべきかを見極めることです 。治療家は、両手の親指と人差し指の間にある筋肉(合谷)を優しく押して、どちらがより硬いか、あるいは圧痛があるかを調べます 。反応が強かった側が治療の対象となります。
- 問題はどこに? 上腕診(じょうわんしん) 次に、治療家は上腕にある圧痛点を探します 。これらの点は、背骨(首、胸、腰)や脳の状態を反映する地図のようになっています 。ここにある圧痛点が、体のどの部分に問題があるかを正確に教えてくれます。
- 基本治療 上腕診で見つけた情報に基づき、治療家は頭にある対応した「基本点」に鍼をします 。
- より深い診断:首診(くびしん) より複雑な症状の場合、治療家は首にある圧痛点を調べることがあります 。これらの点は、内臓(胃、肝臓、心臓など)や12対の脳神経と関連しています 。これは通常、より経験を積んだ治療家が行います。
- 応用治療 首診で問題が見つかった場合は、それに対応する頭の治療点を使って治療します 。
この体系的なプロセスこそ、YNSAが信頼性が高く、多くの治療家によって実践されている理由の一つです 。
頭の中の地図:YNSAの主な治療点
[YNSAの基本治療点の図]
YNSAにおける頭は、体全体を助けることができる様々なゾーンが描かれた宝の地図のようなものです。主な治療点の種類は以下の通りです。
- 基本点(AからH) これらはYNSAのまさに土台であり、ほとんどすべての治療で使われます 。AからHまでのアルファベットが付けられ、体の各部分に論理的に対応しています。
- A点: 頭部、頚椎(首の骨)
- B点: 頚椎、肩、肩関節
- C点: 肩、腕、指
- D点: 腰椎(腰の骨)、脚
- E点: 胸椎(胸の骨)、肋骨
- その他、F点(坐骨神経)、G点(膝)などがあります 。
- 感覚点 名前の通り、感覚器官に対応する治療点です 。眼点、鼻点、口点、耳点があり、目のかすみ、アレルギー、歯の痛み、耳鳴りなどの症状を治療します 。
- 脳点 これらの治療点は、大脳、小脳、脳幹に対応する頭皮上にあります 。パーキンソン病や認知症、脳卒中後のリハビリなど、中枢神経系に関連する症状の治療に非常に重要です 。
- Y点と12脳神経点 これらはより応用的な治療点で、耳の周り(Y点)や頭のてっぺん(12脳神経点)にあります 。心臓、肺、胃など、主要な内臓に対応しており、首診の結果に基づいて使われます 。
頭の上に体全体の地図が広がっているなんて、本当に驚きですよね。山元先生の発見と、その詳細な治療システムは、体が本来持つ治癒力を引き出すための、強力かつ優しい方法を提供してくれます。これは、注意深い観察と医学的な革新が見事に融合した素晴らしい治療法なのです。
YNSAの実践テクニック:どうやって治療するの?
1. 鍼の刺し方(刺鍼:ししん)
YNSAの鍼の刺し方は、ちょっと独特です。
- チューブは使わない:普通の鍼治療では、鍼を刺すための細いチューブ(鍼管:しんかん)を使うことが多いですが、YNSAでは使いません 。治療家が直接、鍼を持って刺します 。
- 狙いは正確に:なぜなら、頭皮の上にあるとても小さな治療点を、ピンポイントで正確に捉える必要があるからです 。
- 特別な感覚:創始者の山元先生は、この時の感覚を「ラップフィルムを貫くような感じ」と表現しています 。この感覚を掴むことがとても大切なんだそうです。
- テクニックは不要:鍼を刺した後は、特別な手技(補瀉や雀啄など)は使わず、そのまま置いておくのが基本です 。
2. 基本的な治療の流れ
YNSAの治療は、とても論理的に進められます。
- 腕の診断(上腕診)がカギ:まず腕を診て、頚椎(首)・胸椎(胸)・腰椎(腰)のどの部分に反応(圧痛や硬いしこり)が出ているかを探します 。
- 反応した場所に対応する頭の点を治療:
- 腕の「頚椎」の診断点に反応があれば、頭の「頚椎」に対応する基本点A点を治療します 。
- 腕の「腰椎」の診断点に反応があれば、頭の「腰椎」に対応する基本点D点を治療します 。
- 症状の場所と治療点が違ってもOK:ここが面白いところで、例えば「腰が痛い」という症状でも、腕の診断で「頚椎」に反応が出た場合は、頭のA点(頚椎の点)を治療すると、腰の痛みが軽快することがあるんです 。
- 脳の点は必ず治療:腕の診断で脳幹・大脳・小脳の点に反応があった場合は、慢性的な病気にとって重要なサインなので、必ず対応する頭の脳点を治療します 。
3. 応用編:首の診断(首診)からの治療
基本治療で効果が不十分な時や、さらに効果を高めたい時に使う、一歩進んだ方法です 。
- 首にある診断点を診ることで、内臓の不調が分かります 。
- 反応があった場所に対応する、頭のY点や12脳神経点を治療することで、さらに高い効果を目指します 。
感動の実話:YNSAの症例
ここからは、YNSAが実際にどのように人々を助けてきたのか、いくつかのケースを見ていきましょう。一つ一つの物語に、治療のヒントと希望が詰まっています。
ケース1:レビー小体型認知症
- 患者さん:70代の男性 。
- 症状:体が傾いてしまう、物忘れ、小刻みな歩行など 。
- 治療のハイライト:腕の診断(上腕診)で反応があった左の頚椎・腰椎・脳幹・小脳に対応する、頭の基本点A・Dと脳点を治療しました 。
- 結果:なんと、最初の治療後すぐに、歩行がスムーズになり、体の傾きも改善されました 。治療を続けるうちに、3年ぶりに大好きな麻雀ができたり、趣味だったマラソン(3km)を再び走れたりするまでに回復したそうです 。
- このケースのポイント:認知症などの中枢神経系の病気では、鍼の刺激にとても敏感なことがあるため、鍼を刺しすぎないよう、一本一本丁寧に、細心の注意を払うことが非常に重要です 。
ケース2:脳梗塞の後遺症(左半身麻痺)
- 患者さん:57歳の男性 。
- 症状:左半身の麻痺、腕を動かすと痛い、手足のむくみ 。
- 治療のハイライト:普通、麻痺とは反対側の頭を治療しますが、このケースでは麻痺している左側と同じ、左の頭の治療点が有効でした 。常識にとらわれず、患者さんの体の反応を丁寧に見極めた結果です。
- 結果:治療直後から肩の痛みがなくなり、腕の可動域が改善 。治療を重ねるうち、左手でお茶碗を持てるようになり、寝返りも自分で打てるようになりました 。
- このケースのポイント:脳梗塞の麻痺では、セオリー通り反対側を治療するだけでなく、麻痺と同じ側の治療で改善するケースもあることを知っておくのが大切です 。
ケース3:脳出血の後遺症(右半身麻痺)
- 患者さん:76歳の女性 。
- 症状:右半身の麻痺、感覚障害、右のまぶたが覆いかぶさってくるような不快感 。
- 治療のハイライト:この方もケース2と同様、麻痺している右側と同じ、右の頭への治療が効果的でした 。
- 結果:治療を続けるうちに、自宅では杖なしで歩けるようになり、気になっていたまぶたの不快感もほぼなくなりました 。以前は食べ物が口からこぼれたり、頬に溜まったりしていましたが、それも改善されたそうです 。
- このケースのポイント:治療効果は、その場ですぐに現れるとは限りません。自宅に帰ってから変化を感じる患者さんもいるので、焦って鍼を刺しすぎないことが大切です 。
ケース4:脳内出血による視野欠損
- 患者さん:21歳の男子学生 。
- 症状:事故による脳内出血の後遺症で、右半身の感覚麻痺、視野の右半分が見えない(同名半盲)、記憶障害など 。
- 治療のハイライト:この方も麻痺と同じ右側の頭の治療点が有効でした 。また、手術痕が治療点と重なっていたため、緊張が強くならないよう慎重に治療点を選びました 。
- 結果:約2年間、62回の治療を経て、驚くべきことが起こりました。欠けていた視野が回復し始め、失われていた右半身の感覚も戻ってきたのです 。認知機能も改善し、障害者作業施設で社会復帰を果たすことができました 。
- このケースのポイント:感覚麻痺がある場合、診断点の反応が分かりにくいため、左右両方の治療点を実際に触って、どちらが体の動きを改善させるかを確認することが重要です 。
ケース5:パーキンソン病
- 患者さん:60歳の男性 。
- 症状:前のめりに突進するように歩いてしまう、足がすくむ、声がかすれる、腰痛、うつ傾向 。
- 治療のハイライト:YNSAに加え、すくみ足や声がれに効果的な電気鍼治療なども組み合わせました 。パーキンソン病には左の小脳点が有効という報告に基づき、必ず治療に取り入れたそうです 。
- 結果:治療を重ね、転倒回数が減り、室内での方向転換がスムーズになりました 。表情も柔らかくなり、声量もアップしたことで、コミュニケーションが取りやすくなったと喜ばれました 。
- このケースのポイント:YNSAはパーキンソン病を完治させることはできませんが、運動症状だけでなく、便秘や不眠、痛みといった様々な症状を改善し、患者さんの生活の質(QOL)を高める大きな助けになります 。
ケース6:パーキンソン症候群
- 患者さん:68歳の女性 。
- 症状:パーキンソン病に似た症状(体の震え、筋肉のこわばり)、強い腰痛と膝痛、不眠、不安感 。
- 治療のハイライト:この患者さんは非常に敏感で、鍼を1本追加するだけで体のこわばりが強くなってしまうため、鍼の本数を3〜8本と、できるだけ少なくすることを心がけました 。
- 結果:腰と膝の痛みが大幅に軽減し、ぐっすり眠れるようになりました 。うつ状態も改善して外出が増え、歩き方も少しずつ安定していきました 。
- このケースのポイント:難病の患者さんには、鍼を刺しすぎないように、一本一本効果を確認しながら治療を進めることが非常に重要です。「少ないことが、より良い結果を生む(Less is more)」こともあるのです 。
このように、YNSAは一人ひとりの患者さんの状態を丁寧に見極め、時には常識にとらわれない方法で、様々な難しい症状の改善を目指す治療法だということがわかりますね。病気と闘う人々の生活の質(QOL)を少しでも良くしようという、温かい想いが伝わってきます。
ケース7:顔面神経麻痺
- 患者さん:45歳の女性、会社員 。
- 症状:ある朝突然、顔の右側が動かなくなった 。まぶたが完全に閉じられず、目が充血している状態 。
- 治療のハイライト:YNSAには、顔面神経に対応する**12脳神経点の「顔面神経点」**という、まさにこの症状のための治療点があります 。この症例では、顔面神経点への治療に加え、首や肩のこりも和らげるため、背中や手足のツボへの治療も組み合わせました 。
- 結果:治療を重ねるうちに、だんだんと顔の動きが戻ってきました。最初は閉じられなかった目が軽く閉じられるようになり、うがいの時に水がこぼれる量も減っていきました 。約4ヶ月、合計16回の治療で、顔の麻痺の症状はなくなり、習い事にも積極的に参加できるようになったそうです 。
- このケースのポイント:YNSAの大きな利点は、顔に直接鍼を刺さなくても顔の麻痺を治療できることです 。もちろん、患者さんの希望に合わせて顔への鍼治療を組み合わせることも可能で、柔軟に対応できるのが強みです 。
ケース8:うつ病
- 患者さん:70代の女性 。
- 症状:約20年間、うつ病に悩まされ、多くの薬を服用しても改善が見られなかった 。不安が強く、夫が外出すると一人で家にいることができなかった 。
- 治療のハイライト:YNSAで自律神経や脳の働きを整える治療を中心に行いました 。さらに、「できたことノート」という、その日にできた良いことだけを書き出す認知行動療法も併用し、自信を取り戻す手助けをしました 。
- 結果:治療を始めて数回で気分が良くなり、散歩ができるようになりました 。4ヶ月後には、なんと8年ぶりに一人で留守番ができたのです 。その後も、家族旅行や友人との会食など、これまでできなかった活動がどんどんできるようになりました 。
- このケースのポイント:うつ病の治療では、YNSAで脳の状態を整えると共に、生活指導(十分な休息や可能な範囲での運動など)や認知行動療法を組み合わせることが、改善への大きな力となります 。薬を自分の判断でやめないよう伝えるなど、心のケアも重要です 。
ケース9:パニック障害
- 患者さん:40代の女性、ピアノ教師 。
- 症状:18年前に初めてパニック発作を経験 。それ以来、電車に乗れない、高速道路を運転できない、映画館に入れないなど、日常生活が大きく制限されていた 。
- 治療のハイライト:YNSAで自律神経や、肝・心・肺といった精神活動に関わる臓器の調整を行いました 。さらに、患者さんが自信を取り戻しながら、これまで避けてきた行動に少しずつ挑戦できるよう、認知行動療法も取り入れました 。
- 結果:治療開始から約半年で高速道路を運転できるようになり、1年後には18年ぶりに電車に乗れるようになりました 。そして3年後には、なんと夫婦でハワイ旅行に行くことができたのです! 。
- このケースのポイント:パニック障害の治療では、決して焦りは禁物です 。YNSAで心と体のバランスを整え、患者さん自身が「挑戦しよう」と決めた行動を、治療家が温かく見守り、励ますという関わり方がとても大切になります 。
ケース10:自律神経失調症
- 患者さん:74歳の女性 。
- 症状:常に不安感があり、めまい、頭痛、歩くとふわふわする感じ、食欲不振など、多くの不定愁訴に悩まされていた 。
- 治療のハイライト:YNSAの脳幹点や大脳点などで自律神経の調整を試みました 。さらに、過去の手術(頚椎や腰椎)の影響も考え、それらに対応する基本点も治療しました 。栄養不足の可能性も考え、食事指導も取り入れています 。
- 結果:治療直後から「頭がスッキリした」と感じ、ふわふわ感が減りました 。治療を続けるうちに、何年も悩まされていた不眠が改善し、ぐっすり眠れるようになり、一人で外出もできるようになったそうです 。
- このケースのポイント:多くの症状を抱える患者さんには、一つの原因に絞らず、YNSA、手術痕へのアプローチ、栄養指導など、多面的な治療を行うことが重要です 。
ケース11:めまい(前庭神経炎の後遺症)
- 患者さん:33歳の女性、主婦 。
- 症状:前庭神経炎という病気の後遺症で、首を動かしたり、走ったりすると、めまいと頭痛が起こる 。そのため、趣味のテニスもできず、仕事への復帰も不安な状態だった。
- 治療のハイライト:YNSAでの治療と並行して、自宅でできるセルフケアとして眼球運動や首の運動を指導しました 。
- 結果:最初は怖くて動かせなかった首が、だんだん動かせるようになり、少しずつ走れるようになりました 。治療を続け、仕事にも無事復帰。最終的にはテニススクールに入会し、目標を達成することができました 。
- このケースのポイント:YNSAは、その場で症状に変化をもたらすことが多く、それが患者さんの信頼につながります 。治療院での施術と、自宅でのセルフケアを組み合わせることで、難治性のめまいも改善に導くことが可能です 。
ケース12:メニエール病
- 患者さん:77歳の女性 。
- 症状:めまい、耳鳴り、常に頭が重い感じ、不眠など 。めまいが怖くて、車の運転ができなかった 。
- 治療のハイライト:YNSAの治療に加え、特定の動きでめまいが悪化することから、動きと経絡の関係をみる「M-Test」という考え方も参考に治療を進めました 。また、頭皮の「ブヨブヨした浮腫(むくみ)」がめまい改善のキーになると考え、その変化にも注目しました 。
- 結果:初回の治療で、首を動かした時のめまい感が消失し、大変喜ばれました 。治療を続けるうちに、車の運転も2時間程度ならできるようになり、日常生活ではほとんどめまいを感じなくなったそうです 。
- このケースのポイント:めまいの治療では、肩や首の緊張が頭部への血流を悪くし、頭皮の浮腫につながることがあります 。YNSAは頭皮の浮腫を改善しやすく、それがめまいの改善にもつながる可能性があります 。
ケース13:むずむず脚症候群
- 患者さん:70代の女性、団体職員 。
- 症状:じっとしていると脚に不快感が湧き上がり、動かさずにはいられない 。特に夜に症状がひどくなり、睡眠の妨げになっていた 。
- 治療のハイライト:この病気は、脳内の神経伝達物質「ドーパミン」の機能障害が原因の一つと考えられています 。YNSAは脳点の治療によってドーパミンの働きを改善できる可能性があり、非常に相性が良い治療法と言えます 。食事指導(鉄分やビタミンを摂る、カフェインを控えるなど)も併用しました 。
- 結果:治療を始めてから、薬を飲む回数がどんどん減っていきました 。そして、治療開始から約2ヶ月、5回の治療で、薬をまったく飲まなくてもよくなり、夜もぐっすり眠れるようになったそうです 。
- このケースのポイント:むずむず脚症候群の治療では、YNSAの脳点の治療に加え、鉄分などの栄養指導や、カフェインを控えるといった生活習慣の改善を組み合わせることが非常に重要です 。
ケース14:冷え症
- 患者さん:38歳の女性、事務職員 。
- 症状:重度の肩こりと、手足が凍るように冷たくなるほどの冷え症 。冬は靴下を履かないと眠れなかった 。
- 治療のハイライト:肩こりの治療を中心に行いつつ、自律神経のバランスを整えるYNSAの脳点への施術を行いました 。また、湯たんぽでの温めや、鉄分サプリメントの摂取といったセルフケアも指導しました 。
- 結果:肩こりが改善するにつれて、手足の冷えも軽くなっていきました 。治療を続けるうちに、靴下なしで眠れるようになり、基礎体温も上がってきたそうです 。そして、治療終了後、自然妊娠が分かりました 。
- このケースのポイント:「冷え症」という症状だけを追うのではなく、肩こりなど、体全体の不調に注目して治療を行うと、結果として冷え症も改善することが多いです 。YNSAで自律神経のバランスが整うと、基礎体温の上昇にもつながる可能性があります 。
ケース15:円形脱毛症
- 患者さん:40代の女性、専業主婦 。
- 症状:新しい夢に向かう不安やストレスがきっかけか、側頭部に円形の脱毛ができてしまい、どんどん広がってしまった 。
- 治療のハイライト:ストレスが原因と考え、YNSAで自律神経を整える治療を中心に行いました 。また、体内の有害金属の蓄積も一因と考え、解毒作用を持つ肝臓や胆嚢に対応するY点も治療しました 。皮膚科で処方されたステロイドの塗り薬も併用しました 。
- 結果:治療開始後2ヶ月間は悪化し、脱毛範囲は7×5cmまで広がりました 。しかし、治療を続けるうちに回復の兆しが見え始め、治療開始から約6ヶ月後には完治しました 。治療後1年経っても再発はないそうです 。
- このケースのポイント:円形脱毛症の治療では、YNSAのような補完代替医療と、西洋医学(ステロイド治療など)を組み合わせた統合医療が望ましい場合があります 。YNSAによる自律神経の調整は、再発予防にも役立つ可能性があります 。
ケース16:帯状疱疹後神経痛
- 患者さん:80代の男性 。
- 症状:帯状疱疹が治ってから3年半もの間、左肩から腕にかけて、服が肌に触れるだけでも激しい痛みが続いていました 。
- 治療のハイライト:この病気の原因は、①傷ついた神経、②脳が記憶してしまった痛み、③痛みを抑える機能の故障、の3つと考えられています 。YNSAでは、これら全てにアプローチするため、脊椎に対応する基本点(A点、E点)や、脳に対応する脳点などを治療しました 。
- 結果:月に1回という限られた治療にもかかわらず、初回の治療で痛みが大幅に軽減 。4回目の治療後には痛みは朝だけになり、5回目には**寛解(症状が治まった状態)**と判断され、治療を終えることができました 。
- このケースのポイント:帯状疱疹後神経痛に移行させないためには、帯状疱疹の初期治療が何よりも重要です 。もし神経痛になってしまった場合、YNSAでは脊椎と脳へのアプローチが治療の中心となります 。
ケース17:関節リウマチ
- 患者さん:49歳の女性、中学校教師(休職中) 。
- 症状:関節リウマチによる左膝の腫れと手首の痛み。薬を飲んでも症状が引かず、悩んでいました 。
- 治療のハイライト:YNSAの基本治療に加えて、症状が出ている膝や手首にピンポイントで対応する治療点(Iソマトトープや基本点C点)を使用しました 。
- 結果:治療を続けるうちに血液検査の数値が改善し、痛みにも波はありながら徐々に軽くなっていきました 。驚くことに、患者さんは治療開始7ヶ月後から自己判断で薬を中止していましたが、それでも症状は改善し、最終的には仕事に復帰することができました 。
- このケースのポイント:YNSAは、痛みが出ている関節一つ一つに対してピンポイントで施術できるため、患者さんが変化を実感しやすく、治療を続ける希望につながります 。ただし、薬の使用については、自己判断せず必ず担当医と相談することが大切です 。
ケース18:強皮症(きょうひしょう)
- 患者さん:29歳の女性 。
- 症状:皮膚や内臓が硬くなる難病で、16歳の時に発症 。手が握れない、関節が痛い、息切れがするなど、全身に様々な症状がありました 。
- 治療のハイライト:この病気は完治が難しいですが、YNSAで症状を和らげることを目指しました 。呼吸器症状には基本点E点 、胃の不快感にはY点の脾・胃 、といったように、様々な症状に対応する治療点を使い分け、体への鍼治療も組み合わせました 。
- 結果:治療を重ねるうちに、呼吸が楽になり、階段を昇る時の息切れがほとんどなくなりました 。また、以前は全くできなかったスマートフォンでのゲームができるようになるまで、手指の細かい動きが改善しました 。生活の質(QOL)が大きく向上したのです 。
- このケースのポイント:強皮症のような完治が望めない病気であっても、YNSAはそれに伴う痛みや自律神経症状を改善し、患者さんのQOL(生活の質)を高める大きな助けとなります 。
ケース19:五十肩
- 患者さん:70代の男性 。
- 症状:突然の右肩痛で、腕が上がらず、夜も眠れないほどの痛みがありました 。整形外科で治療を受けても改善が見られませんでした 。
- 治療のハイライト:YNSAでの治療に加え、症状が強い「急性期」が過ぎたと判断したタイミングで、**「Codman体操(振り子体操)」**という運動療法も取り入れました 。
- 結果:2週間に1回、合計6回の治療(約2ヶ月)で、夜間の痛みがなくなり、肩の動きもほぼ元通りになりました 。
- このケースのポイント:五十肩の治療は、痛みの時期(急性期・拘縮期・回復期)を見極め、それに合わせた治療や運動療法を行うことが重要です 。YNSAは、どの時期においても有効な治療法となり得ます 。また、肩の痛みは他の病気の可能性もあるため、整形外科できちんと診断してもらうことが望ましいです 。
ケース20:上腕骨骨折術後の痛み
- 患者さん:76歳の女性 。
- 症状:階段から落ちて腕を骨折し、2回も手術をしたのに痛みが全く取れない 。そのせいで気分も落ち込み、家に引きこもりがちになっていました 。
- YNSAの治療:YNSAの診断法(合谷診、上腕診)に基づき、脳や頚椎、腰椎に対応する頭の治療点に鍼をしました 。最後に、痛む腕に対応する基本点C点を使ったところ、痛みがほぼ消失しました 。
- 驚きの結果:たった1回の治療で長年の痛みがほとんどなくなり、患者さんは非常に驚いていました 。痛みがぶり返す前にと、2日後にもう一度治療を行ったところ、症状がすっかり改善し、痛み止めも不要になりました 。
- このケースのポイント:最初の治療で痛みが取れても、ぶり返す前に2回目の治療を行うことが、早期改善の重要なカギとなりました 。
ケース21:脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
- 患者さん:80代の女性 。
- 症状:「間欠跛行(かんけつはこう)」という、少し歩くと足が痛くて歩けなくなり、休むとまた歩けるようになる症状に悩んでいました 。手術をしても改善しませんでした 。
- YNSAの治療:「手術までしたのに治らない」という怒りや不安が、脳の痛みを感じる機能を誤作動させていると考え、腰に対応する基本点D点などに加え、脳点の治療を重点的に行いました 。
- 驚きの結果:治療を続けるうちに、周りの人から「歩き方や姿勢が良くなった」と驚かれるほどに改善 。最終的には、1時間くらいスタスタと歩けるようになり、治療を終えることができました 。
- このケースのポイント:腰痛の原因の約85%は特定できないと言われており、骨格の問題だけでなく、「脳」が感じる不安や怒りも痛みの大きな原因になります 。YNSAは、腰と脳の両方からアプローチできるのが強みです 。
ケース22:頚椎椎間板ヘルニア(歯科での応用)
- 患者さん:52歳の女性 。
- 症状:首の痛み、左腕のしびれ、そして顎の左側の違和感に悩んでいました 。
- YNSAの治療:このケースでは、YNSAの治療と同時に、歯科で**「スプリント」**と呼ばれるマウスピースのような装置で噛み合わせを整えました 。
- 驚きの結果:YNSAだけでも痛みは和らぎましたが、スプリントを装着してYNSAを行うと、相乗効果で首の痛みや腕のしびれが劇的に改善 。朝、凝り固まって動かせなかった首が、起きてすぐに動かせるようになりました 。
- このケースのポイント:顎のズレは、首の骨(頚椎)や周りの筋肉に大きな影響を与えます 。YNSAと歯科治療(スプリント)を組み合わせることで、より高い治療効果が期待できます 。
ケース23:ぎっくり腰(急性腰痛)
- 患者さん:47歳の男性 。
- 症状:重いカバンを持ち上げた瞬間、腰に激痛が走り、立てなくなってしまいました 。欧米では「魔女の一撃」とも呼ばれるほどの痛みです 。
- YNSAの治療:驚くことに、痛みの原因は腰だけではありませんでした。診断の結果、最も反応が強かったのは**「頚椎(首)」**の診断点でした 。発症前日にくしゃみを連発していたことで、上半身の筋肉が疲労していたようです 。
- 驚きの結果:治療後、体を反らせた時の痛みはほぼゼロになり、ベッドから起き上がれるようになりました 。翌日から仕事に行くことができたと、大変喜ばれました 。
- このケースのポイント:ぎっくり腰のような急性腰痛では、痛む場所(腰)だけでなく、上半身の緊張が原因のこともあります 。局所にとらわれず、体全体のバランスを見ることが重要です 。
ケース24:腰痛(原因不明の非特異的腰痛)
- 患者さん:69歳の男性 。
- 症状:長年の腰痛に加え、お尻の痛みや足のしびれに悩んでいました。ブロック注射をしても翌日には痛みがぶり返す状態でした 。
- YNSAの治療:YNSAの基本治療に加え、坐骨神経に対応する基本点F点なども使って治療を行いました 。
- 驚きの結果:最初の数回は、治療直後は楽になっても家に帰ると痛みが戻る、という状態でした 。しかし、治療を続けるうちに楽な状態が長続きするようになり、8回目の治療後には痛みやしびれを意識することがなくなり、大好きなゴルフも楽しめるようになりました 。
- このケースのポイント:治療直後に症状が改善しても、また痛みが戻ることがあります。その可能性を事前に患者さんに丁寧に説明しておくことで、患者さんは不安にならずに治療を継続でき、最終的な改善につながります 。
ケース25:腰痛を伴う自律神経の乱れ(歯科での応用)
- 患者さん:55歳の女性 。
- 症状:強い精神的ストレスが原因で、腰痛、不眠、口の渇き、体重減少など、全身に不調が現れていました 。
- YNSAの治療:自律神経の調整に重要な胸椎や脳幹に対応する治療点を中心に行いました 。
- 驚きの結果:治療後、すぐに唾液が出てくるのを感じ、首や肩の硬さも取れ、手足が温かくなりました 。腰や膝の痛みも消え、眠れるようにもなりました 。
- このケースのポイント:YNSAの胸椎のポイントは、自律神経系の調整に深く関わっています 。自律神経のバランスが整うことで、唾液の分泌が促されたり、体の緊張が取れたりします 。
ケース26:変形性膝関節症
- 患者さん:70代の女性 。
- 症状:膝の軟骨がすり減ることで起こる痛みで、手術を勧められていました 。
- YNSAの治療:膝に対応する基本点G点や、I・Jソマトトープの膝点などを使い、まず痛みを素早く取り除くことを目指しました 。
- 驚きの結果:YNSAで痛みが和らいだことで、歩くことができるようになりました 。動くことで膝を支える筋力がつき、さらに痛みが軽くなる、という良い循環が生まれました 。治療を続けるうちに、コンサートを楽しめるまでに回復しました 。
- このケースのポイント:変形性膝関節症では、「痛い→動かない→筋力が落ちる→さらに痛くなる」という悪循環を断ち切ることが重要です 。YNSAは、そのきっかけとなる「痛みの軽減」に非常に有効な治療法です 。
ケース27:糖尿病患者の歯周病治療(歯科での応用)
- 患者さん:50歳の男性、自営業 。
- 症状:2型糖尿病を患っており、重度の歯周病で奥歯が痛み、噛めない状態でした 。
- YNSAの治療:歯科での歯周病治療と並行して、YNSAを行いました。特に糖尿病に関係する**膵臓(すいぞう)**に対応する12脳神経点(内耳神経)などを治療しました 。
- 驚きの結果:歯肉の腫れが治まり、痛くなく噛めるようになっただけでなく、内科での検査でHbA1c(血糖値の指標)が7.2%から5.9%へと大幅に改善しました 。
- このケースのポイント:歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼす悪循環の関係にあります 。YNSAで体全体の状態を整えることが、血糖値のコントロールを助け、結果として口腔内の環境改善にもつながったと考えられます 。
ケース28:非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)
- 患者さん:56歳の女性。
- 症状:親知らずを抜いた後から、まるで金づちで叩かれるような激しい痛みが始まり、唇や顎の感覚がなくなってしまいました。多くの病院で治療を受けましたが改善せず、「痛みを分かってもらえない」と苦しんでいました。
- YNSAの治療:YNSAの診断に基づき、脳や頚椎に対応する治療点に加え、顔の感覚を支配する**三叉神経(さんさしんけい)**に対応する12脳神経点を治療しました。
- 結果:治療を続けるうちに、痛みがない時間が増え、「1日中痛い」ということはなくなりました。薬の副作用で治療が難しくなる場面もありましたが、鍼灸治療は副作用の心配が少なく、安心して続けられました。最終的には、気分も良好になり、外出もできるようになったそうです。
- このケースのポイント:YNSAは病名を選ばず、あらゆる症状に対応できる可能性があります 。原因不明の強い痛みで精神的に追い詰められている患者さんにとって、YNSAは心身両面からの支えとなり得ます。
ケース29:ドライマウス(歯科での応用)
- 患者さん:33歳の女性。
- 症状:顎が痛くて口が指2本分しか開かず、食べ物も噛めない。口の中は常に渇いていました(ドライマウス)。
- YNSAの治療:顎関節症の治療で重要な**基本点A点(頚椎)**を丁寧に治療しました。また、自律神経の乱れも原因と考え、脳幹点や、呼吸を整える目的で基本点E点なども使いました。
- 驚きの結果:初回の治療で顎の痛みが和らぎ、口が指3本分開くようになりました。唾液も出てくるようになり、治療を続けるうちに顎の痛みは消失。よく眠れるようになり、食事指導もあって、しっかり噛んで食事ができるようになりました。
- このケースのポイント:顎の痛み(顎関節症)には、ほとんどの場合、頚椎の診断点に反応が見られます 。基本点A点を確実に治療することで、首の動きがスムーズになり、それと同時に顎の動きも改善されることが多いのです 。
ケース30:口腔癌による頚部郭清術後のケア(歯科での応用)
- 患者さん:70歳の女性。
- 症状:舌癌の手術で、首のリンパ節も摘出(頚部郭清術)しました。その影響で、首の皮膚が引きつり、腕の動きも悪くなっていました。また、手根管症候群で手指のしびれもありました。
- YNSAの治療:手術後の皮膚の引きつりや筋肉のこわばりを和らげるため、YNSAの診断に基づいて全身を整えました。手指のしびれには基本点C点の指のポイントを、舌の動きを良くするために12脳神経点の舌下神経を治療しました。
- 驚きの結果:治療後、首の動きが滑らかになり、長時間歩けるようになりました。また、しびれて曲げられなかった指が、普通に握れるようになり、大変驚かれていました。
- このケースのポイント:手術後の皮膚の瘢痕(はんこん)があると、治療の効果がすぐには現れにくいことがあります 。そのため、治療回数がかかることを事前に説明し、じっくりと治療を続けることが大切です。
ケース31:顎関節症(歯科での応用)
- 患者さん:68歳の女性。
- 症状:顎が痛くてカクカク鳴り、右耳では「ジーッ」「キーン」という耳鳴りが常に聞こえて憂鬱な気分でした。
- YNSAの治療:歯科で噛み合わせを調整する**「咬合(こうごう)調整」**と並行して、YNSAを行いました。顎関節症で重要な基本点A点や、耳鳴りに対応する耳鳴点などを治療しました。
- 驚きの結果:YNSAと咬合調整を組み合わせることで、顎の痛みはすぐに和らぎ、耳鳴りも治療後1日は完全に消失しました。治療を続けるうちに、顎の痛みはなくなり、耳鳴りも気にならない状態まで改善しました。
- このケースのポイント:顎関節症の治療では、YNSAで首周りの筋肉を緩めることが非常に効果的です 。歯科診療とYNSAを組み合わせることで、より根本的な治療につながり、噛みやすい状態を作り出すことができます 。
ケース32:口腔の痛み(歯科での応用)
- 患者さん:57歳の女性。
- 症状:原因不明の口の中の痛み(口腔内灼熱症候群)に長年苦しんでいました。常に口の中がヒリヒリし、塩をなめているような感覚で、痛みのため常に交感神経が優位な状態でした。
- YNSAの治療:このケースでは、鍼を刺す代わりに**「半導体レーザー」**をYNSAの治療点に照射するという方法を取りました。YNSAの診断で特定した治療点にレーザーを当てることで、痛みの軽減を目指しました。
- 驚きの結果:レーザーを当てると、肩が軽くなり、唾液の分泌量も目に見えて増えました 。口の痛みも和らぎ、「気分がよい」とコメントされました。
- このケースのポイント:YNSAの診断と治療点は、鍼だけでなくレーザー治療にも応用できます 。痛みが強くて口を開けることさえ難しい患者さんにとって、鍼を刺さないこの方法は、治療への第一歩として非常に有効な手段となり得ます 。
YNSAマスターへの道:「守破離(しゅ・は・り)」の教え
この本の最後に、著者の加藤先生は、日本の武道や芸事の世界で古くから大切にされてきた**「守破離(しゅ・は・り)」**という言葉を使って、YNSAを習得するための心構えを説いています 。これは、千利休(せんのりきゅう)という有名な茶人の教えに由来する言葉で、物事をマスターするための3つのステップを示しています 。
【ステップ1:守(しゅ)】〜師匠の教えを、ひたすら『守る』〜
これは、YNSAの創始者である山元敏勝(やまもと としかつ)先生の教えや技術を、徹底的に真似して、基本を忠実に**『守る』**段階です 。
加藤先生は、この「守」の段階が何よりも重要だと力説しています。1000人以上の人々にYNSAを教えてきた経験から、この技術をマスターして成果を出している先生方は、例外なくこの「守」をきちんと、そして長く続けてきた人たちだったと言います 。
【ステップ2:破(は)】〜自分流に挑戦し、型を『破る』〜
基本を完全にマスターした後、他の流派を研究したり、自分なりに工夫を凝らしたりして、既存の型を**『破る』**段階です 。自分に合った、より良いスタイルを試行錯誤しながら見つけていきます 。
しかし、加藤先生は「焦ってはいけない」と釘を刺します。基本である「守」をしっかり経ていないと、次の「破」はただの自己満足で間違ったものになってしまうからです 。
【ステップ3:離(り)】〜師匠から『離れ』、独自の道を拓く〜
最後は、師匠の型から**『離れ』**、自分だけのオリジナルの境地を切り拓き、一流を編み出す段階です 。
YNSA習得への一番の近道とは?
加藤先生は、一流の治療家であればあるほど、YNSAを少しかじるとすぐに「破」や「離」の段階に行きたくなるかもしれない、と述べています 。しかし、そこをぐっとこらえて、まずは山元先生が50年の臨床経験と、まるで神がかり的なひらめきから生み出した診断点・治療点を、徹底的に習得してほしいと願っています 。
そして、技術だけを真似るのでは不十分だと言います。山元先生がいつも笑顔で、宮崎の方言で「いいが、いいが(良い、良い)」と誰にでも優しく接した、その**「精神」**まで学ばなければ、本当の意味でマスター(「離」の境地)することはできないと考えているのです 。
遠回りのように見えても、山元先生のやってきたことを忠実にたどることこそが、実はYNSAを極めるための最短コースなのです 。
「凡事徹底(ぼんじてってい)」—当たり前のことを、誰にも真似できないほど徹底して行うこと。これこそがYNSAを最も早く習得する方法だと、加藤先生は締めくくっています 。
感謝と未来への願い
最後に、加藤先生は、YNSAの全てを教えてくれた山元敏勝先生とそのご家族、この本の出版に関わったすべての人々、そしてこの本を手に取ってくれた読者一人ひとりに対して、心からの感謝を述べています 。
薬に頼りがちな日本の医療の中で、体に害がなく効果の高いYNSAが、苦しんでいる日本中の人々にいつでも届けられるようになることを祈って、これからもこの素晴らしい技術を伝えていきたい、という熱い想いでこのあとがきは結ばれています 。